出入国在留管理庁のまとめによると、日本で働く外国人向けの「特定技能」で在留する人は、制度導入から2年となった2021年3月末時点で2万2,567人で、1年前の3,987人から6倍近くに増加した。新型コロナウイルス変異株に対する水際対策の強化とも相まって、海外から入国はできないものの、国内で「技能実習」から資格変更する人が増加したのが主な要因。
2万2,567人のうち技能実習の修了や、「留学」の資格で在留中に試験に合格したなど、国内に滞在したまま特定技能に資格変更したのは1万7,299人。一方、海外での試験に合格したり、技能実習修了後にいったん帰国したりし、海外からの入国時に特定技能の許可を得たのは5,268人。
資格の取得方法別では、全体の8割以上にあたる1万9,092人が技能実習修了者で、特定技能の試験合格者を大きく上回った。国籍・地域別では技能実習でも最多のベトナムが1万4,147人で、6割を超えた。
働いている業種別では、多い順に飲食料品製造業8,104人(全体の構成比35.9%)、農業3,359人(同14.9%)、建設業2,116人(同9.4%)、産業機械製造業1,937人(同8.6%)、介護1,705人(同7.6%)だった。
特定技能制度の運用は2019年4月からスタートした。人手不足が著しい農業、建設業など14業種で5年間働ける在留資格で、取得には国内外で実施される業種別の技能試験と日本語試験に合格するか、技能実習を3年間修了する必要がある。日本政府は当初5年間で最大約34万5,000人を見込んでいた。
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高収入世帯の児童手当給付廃止 改正関連法成立 22年10月から
一部の高収入世帯の児童手当を廃止する改正児童手当関連法が5月21日、参院本会議で自民、公明両党が賛成し可決、成立した。手当廃止で得た財源を待機児童解消に充てる。廃止対象の子どもは61万人で、2020年10月支給分から適用する。
政府は待機児童解消のため24年度末までに14万人分の保育施設を新たに確保する計画を掲げている。新たな待機児童対策には計1,440億円が必要。高収入世帯の児童手当の廃止などで440億円を捻出し、1,000億円は企業が負担する。
20年の在留資格取り消し1,210人で過去最多 ベトナム58.8%
出入国在留管理庁のまとめによると、2020年1年間に在留資格を取り消された外国人は1,210人に上り、2019年よりさらに217人(21.9%)増加し、過去最多だった。
取り消された資格は「技能実習」が561人(全体の46.4%)で前年より225人、「留学」が524人(同43.3%)で前年より97人それぞれ増えた。「技能実習」「留学」の2つで89.7%を占めた。国籍・地域別ではベトナムが最多の711人(全体の58.8%)、次いで中国が162人(同13.4%)だった。ベトナム・中国は2020年末時点の在留外国人数の上位2カ国で、ベトナム人は「技能実習」の55.2%、中国人は「留学」の44.6%を占め、それぞれの在留資格で最も多かった。
児童福祉司 全国のおよそ8割の自治体で1,200人余不足
児童相談所(児相)で虐待などの対応にあたる児童福祉司の人数が、4月時点で全国のおよそ8割の自治体で国が定めた新たな基準に達していないことが、NHKの調べで分かった。国は児相の児童福祉司について、来年度までに人口3万人につき1人以上配置する新たな基準を設けて各自治体に増員するよう求めている。
今回、児相設置の全国74の自治体に尋ねたところ、全体の8割近い58の自治体が不足していると回答。その数は全国で1,200人余りに上ることが分かった。都道府県別にみると、不足人数の多いのが大阪府と東京都で突出していた。大阪府で208人、東京都で167人だったのをはじめ、神奈川県、川崎市、埼玉県、千葉県、名古屋市、大阪市、奈良県、兵庫県の10の自治体で30人以上不足していると回答した。
社会的「孤立」は18歳以上の12% 単身高齢男性で目立つ
厚生労働省研究班のまとめによると、人とのつながりが減ったために、社会的に孤立しているとみられる人が推計で18歳以上の12%(8人に1人)に上ることが分かった。とくに1人暮らしの高齢男性が孤立しやすいという。
日本政府は今後「孤独・孤立」の定義を固めるとともに、夏に策定する経済財政運営の指針「骨太の方針」に対策を盛り込む方針。
調査は18歳以上の約1万人が対象。個人や家庭の状況などを聞き取った国立社会保障・人口問題研究所の調査(2017年)を使用した。
介護保険料 全国平均で初の月6,000円超え 制度20年で2倍超
厚生労働省は5月14日、65歳以上の高齢者が4月以降に支払う介護保険料の全国平均が月額6,014円になったと発表した。前期の2018~2020年度に比べ145円(2.5%)上昇した。介護サービスの利用者が増え続けているのが主な要因。2000年の制度発足時の平均保険料(2,911円)と比べると2倍を超え、6,000円台は初めてとなる。
妊娠・出産で外国人技能実習困難例 3年余で637件 厚労省調べ
厚生労働省の調べによると、外国人技能実習生の妊娠や出産で実習継続が困難になったとする例が発生、受け入れ先企業などからの届け出が出ていることが分かった。そうした事例は、実習生に対する人権侵害に罰則を設けた技能実習適正化法が施行された2017年11月から2020年12月の3年間余で合わせて637件に上るという。
商船三井 外国人材事業第1号案件始動 第1期生フィリピン19人
商船三井(本社:東京都港区)は5月13日、Magsaysay(マグサイサイ)グループと共同設立したMM EMPOWER CORP.(以下、MMエンパワー)による、フィリピン人材関連事業第1号案件が始動したと発表した。
MMエンパワーは、大阪ガスの協力会社各社がフィリピ人を配管工として、長期にわたり安定的に受け入れる仕組みづくりの支援を行う。第1期生は19人。勤務地域は関西エリア。具体的には在留資格の提案、現地送り出し機関および研修施設案内、最適な入国前教育(カスタマイズした日本語教育、配管教育)の検討などを行う。
2月生活保護申請8.1%増 増加は6カ月連続 雇用情勢反映
厚生労働省は5月12日、2月の生活保護申請は8.1%増えたと発表した前年同月比での増加は6カ月連続。2月に新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が最大11都府県に発令されており厳しい雇用情勢を反映した。2月から生活保護を受給した世帯は1万6,518世帯で、前年同月比で9.8%増加した。
全体の生活保護受給者数は204万7,778人(前年同月比0.8%減)で、受給世帯数は163万7,143世帯(同0.3%増)だった。
住友生命G3社が「終活相談付き みんなの葬儀保険」発売
住友生命グループのアイアル少額短期保険(本社:東京都中央区)、アドバンスクリエイト(本社:大阪市)、燦ホールディングスグループのライフフォワード(本社:東京都港区)の3社は5月10日、共同で「終活相談付き みんなの葬儀保険」を5月17日から発売すると発表した。
契約した顧客にライフフォワードが、葬儀や相続など終活カウンセリングサービスを無償提供するなど、3社の強みを活かした付帯サービスの提供、マーケティング等の取り組みを推進していく。