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警察庁 認知症の22年行方不明者1万8,709人 10年でほぼ倍増

警察庁のまとめによると、2022年に全国の警察に認知症やその疑いがあり、行方不明者として届け出があったのは前年比1,073人(6.1%)増の延べ1万8,709人に上ったことが分かった。統計を取り始めた2012年以降で最多を更新した。この結果、2012年の9,607人から10年でほぼ倍増した。
都道府県別では兵庫が最多の2,115人、大阪1,996人、埼玉1,902人が続いた。2022年に生存して所在が確認されたのは2021年以前に届け出された人を含め1万7,923人。確認までの期間は77.5%が受理当日で、99.6%は1週間以内だった。一方、491人は事故などで亡くなっていた。
なお、認知症以外を含む行方不明者の総数は前年から5,692人増え、延べ8万4,910人だった。過去最少だった2020年から2年連続で増加した。

日本 スーダンの人道支援に500万ドルの緊急無償支援決定

日本政府は6月16日、スーダンの人道支援のため500万ドルの緊急無償資金協力することを決めた。スーダン国軍と即応支援部隊との衝突で、スーダン国内の人道状況がさらに悪化していることを受け、食料、生活必需品、保健・医療等の分野で500万ドルの支援を実施する。また、これに加えてスーダンおよび周辺国のチャドで、ジャパン・プラットフォームを通じ、日本のNGOによる約146万ドル(2億円)の支援が決定された。

介護難民 2050年に400万人に 海外介護人材の確保が急務

国立社会保障・人口問題研究所などがまとめた資料によると、人口が1億人を割ると推計される2056年の日本は、年齢構成で3,750万人が65歳以上になる。成人の18歳から64歳までは5,046万人(生産年齢人口=働き手)で、1.3人の現役が1人の高齢者を支える未曾有の高齢社会が到来する。その結果、介護が必要な人は941万人に膨らみヘルパーなど介護職員は4割も不足する。これにより、およそ400万人の介護難民が巷にあふれる事態が予想される。
こうした状況を反映して、すでに介護の手が届かない「老老介護」は予測を上回るペースで増えている。その行き着くところは共倒れや、孤立死といったリスクや惨状だ。その打開策には海外介護人材の安定的な確保が急務なほか、AI(人工知能)、ロボットの積極的な活用が重要になってくる。
世界に類を見ないペースで高齢化が進行している日本だからこそ、欧州の福祉先進地域の事例を取り入れるだけでなく、中長期的に日本の介護現場の実情に合わせた柔軟かつ、切れ目のないケア体制の構築、強化・充実が求められる。

LGBT法案 衆院通過「ジェンダーアイデンティティ」で可決

LGBTなど性的少数者への理解を増進するための法案が6月13日、衆議院本会議で自民、公明の与党に加え、日本維新の会、国民民主党などの賛成多数で可決された。既述の4党は、与党案の「性同一性」という表現を「ジェンダーアイデンティティ」に改めるなど、日本維新の会と国民民主党の主張に沿って修正した案で合意していた。

少子化対策「こども未来戦略方針」正式決定 3年の加速化プラン

政府は6月13日、異次元の少子化対策の具体的な内容「こども未来戦略方針」を正式決定した。2030年に入るまでの6〜7年間は「少子化傾向を反転できるかどうかのラストチャンス」との認識で、今後3年間で取り組む政策を加速化プランとしてまとめた。
この主な政策は①児童手当の拡充②出産費用の保険適用の導入③「年収の壁」への対応で企業への支援強化④子育て世帯の住宅支援の強化⑤親の就労を問わず「こども誰でも通園制度(仮称)」を具体化するための保育士の配置基準の改善⑥両親とも育休取得で手取り引き上げ⑦時短勤務による賃金低下を補う給付⑧選択的週休3日制度の普及ーなど。
具体的には「児童手当」の所得制限を完全に撤廃し、現在「中学生まで」となっている給付の対象を「高校生まで」に広げる。また、第三子以降への給付については現在の1万5,000円を3万円に倍増する。2026年度をめどに、これまで一時金で支援してきた出産費用について、保険適用の導入を検討する。

南海電鉄 精神障害者も10月から運賃割引の対象に 5割割引

南海電気鉄道は6月12日、10月から精神障害者を対象とした運賃割引制度を導入すると発表した。対象は全線で、精神障害者保健福祉手帳を持つ人とその介護者に適用する。従来は身体障害者と知的障害者のみに割引制度を適用していた。障害等級1級の精神障害者で介護者が同伴する場合などに、普通乗車券や通勤定期券を5割割り引く。

日本の2070年の高齢化率38.7% 2.6人に1人が高齢者 

国立社会保障・人口問題研究所がまとめた「将来人口推計」によると、2070年には日本の全人口に占める65歳以上の割合を示す高齢化率が38.7%に達する。2022年9月時点の高齢化率は29.1%だったから、今後50年ほどでおよそ10%高まる。この結果、65歳以上の人が今の3.4人に1人から、2070年には2.6人に1人になる。日本は世界で最も早く高齢化が進む国になることは間違いない。

エーザイ認知症薬レカネマブ 米FDA諮問委が正式承認勧告

米食品医薬品局(FDA)は6月9日、エーザイと米バイオジェンが共同開発するアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」に関する諮問委員会を開き、正式承認を推奨すると勧告した。これを受け、FDAは7月6日までに可否を判断する予定。米国ではレカネマブは2023年1月にFDAが下した”仮承認”ともいえる迅速承認の状況にある。
米国で正式承認されれば日本や欧州など世界で一気に普及が進む可能性がある。レカネマブはFDAが迅速承認した際、提出された治験のデーターでは、早期アルツハイマー病患者に対し、認知機能の悪化スピードを27%遅らせる効果が示されている。

エーザイ 早期アルツハイマー病新薬を韓国で承認申請

エーザイ(本社:東京都文京区)は6月8日、米国バイオジェンと共同開発する早期アルツハイマー病治療薬「レカネマブ」について、韓国食品医薬品安全処(MFDS)に新薬承認を申請したと発表した。レカネマブは早期アルツハイマー病の患者を対象としており、症状の悪化を27%抑えるとされている。
レカネマブ米国ですでに条件付きの承認にあたる「迅速承認」を取得している。日本、欧州、中国、英国などでも承認申請している。今回の韓国に続きアジア各国での新薬承認の申請をしていくとしている。