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22年の子ども自殺 過去最悪の512人 男子高校生著増

文部科学省のまとめによると、2022年に自殺した小中高校の児童・生徒は512人で過去最多となったことが分かった。これまでは2020年の499人が最多だった。
内訳は小学生が17人(前年比6人増)、中学生が143人(同5人減)、高校生が352人(同38人増)。とくに高校生の男子は207人と前年より38人増えた。

22年の児童虐待の疑い11.5万人で過去最多 警察庁

警察庁のまとめによると、2022年に警察が虐待の疑いで児童相談所に通告した18歳未満の子どもは、前年に比べ7,703人増の11万5,762人、虐待事件の摘発は7件増の2,181件で、ともに過去最多を更新したことが分かった。
通告した虐待の状況をみると、「心理的虐待」が約7割と最も多く、その半数が子どもの前で配偶者や家族に暴力を振るう「面前EV」だった。摘発は「身体的虐待」が約8割を占めた。虐待事件の被害児童は2,214人。死亡したのは37人で、うち24人が無理心中や出産直後に事件で亡くなった。

エーザイ 認知症薬「レカネマブ」中国で優先審査

エーザイ(本社:東京都文京区)は2月28日、米バイオジェンと共同開発しているアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」が中国国家薬品監督管理局(NMPA)から優先審査の指定を受けたと発表した。これにより、承認までの期間を短縮できるという。
NMPAによる優先審査は、顕著な臨床的価値を持つ新薬等に対する研究、開発、上市の加速を目的として制定された制度。

関西22年出生数4.9%減 死亡者9.1%増で人口減加速

厚生労働省が2月28日発表した人口動態統計速報によると、関西2府4県の2022年の出生数は前年比4.9%減の13万2,792人だった。減少率は全国の5.1%を下回り、若干緩やかだった。
府県別にみると、兵庫県が6.0%減と関西最大だったのに対し、最小の大阪府は4.3%減にとどまった。そのほか、和歌山が5.4%減、奈良が5.1%減、京都が4.5%減、滋賀が4.4%減だった。
一方、関西の死亡者数は合計25万4,619人と前年比9.1%増えた。この結果、自然減は12万1,827人と、前年(9万3,805人)を2万8,000人ほど上回っている。この結果、人口減は加速している。

雇調金コロナ特例3月末ですべて終了 厚労省

厚生労働省は2月27日、従業員の休業手当を払う企業を支援する雇用調整助成金で、新型コロナウイルス禍で設けた特例を3月末にすべて終了することを正式に決めた。支給額の上乗せに続き支給要件の緩和も終える。
総支給額が6兆円超に上り、約3年に及んだ雇用の下支えは、中小・零細企業の経営破綻を防いだ半面、長期にわたったことで労働力の円滑な移動を阻んだ側面もあったとも指摘されている。3月中に省令を改正し、4月からは通常の支給要件に戻す。

障害児事故死 大阪地裁 逸失利益 平均賃金の85%判決

大阪地裁が2月27日、障害児事故死の案件で、逸失利益を全労働者の平均賃金の「85%」とする、通常の60%より踏み込んだ判決を下した。これは大阪市生野区で2018年、重機にはねられて亡くなった聴覚支援商学部5年の女児(当時11)、井手安優香さんの遺族が、事故を起こした運転手らに約6,100万円の損害賠償を求めた訴訟。
武田瑞佳裁判長は、就労で得られたはずの「逸失利益」の算定に「全労働者の平均賃金の85%」を用いるべきだとして、約3,700万円の支払いを命じた。武田裁判長は事故で亡くなった安優香さんの学習状況などを個別に検討。他人と積極的に交流していたことを踏まえ、通常より一歩踏み込んだ判決を下した。
争点は逸失利益の算定方法で、運転手側は全労働者平均の6割にとどまる聴覚障害者の平均賃金が妥当だと主張していた。

22年出生数79.9万人 国の推計を11年早く80万人割れ

厚生労働省は2月28日、2022年の出生数(速報値)が前年比5.1%減の79万9,728人にとどまったと発表した。80万人割れは比較可能な1899年以降で初めて。また、国の人口推計より11年も早く80万人を割り込んだ。その結果、7年連続での過去最少の更新となった。
出産期にあたる世代の人口減少に加え、新型コロナウイルス禍での結婚や出産を控える人が増えたことが主要因として挙げられる。出産数の減少に歯止めをかけるため近年、結婚・出産・保育・子育てまで抜本的かつ切れ目のない環境の整備の必要性が指摘されながら、具現化できていないことをうかがわせる。

パナソニックHD 中国で高齢者向け居住区を開業

パナソニックホールディングス(HD)は2月26日、中国江蘇省宜興市で現地企業の雅達国際ホールディングス(HD)と組み、高齢者向けの街づくりの企画段階から参加した「雅達・松下社区」を整備し、住民の入居が始まったと発表した。
同居住区は全部で1,170戸。販売価格は300万元(約6,000万円)からで、およそ半分が売れているという。高齢化が進む日本で培った住空間の設計ノウハウと、空調や住宅設備などの自社製品を組み合わせ、中国向けに構成し提供している。
これを機に同社は高齢者向けや単身者向けなど中国各地で地域ニーズに合わせた空間提案を進めていく。

公営住宅に学生入居広がる 高齢化の自治会に新風

自治体が管理する低所得者向けの公営住宅に、近隣大学の学生を受け入れる取り組みが全国に広がりをみせている。現在、自治会活動への参加を条件に単身学生の公営住宅への入居を認めているのは、国の承認を受けたうえで、東京都、石川、富山、長野など計9都県。
これらの都県では、学生たちが共用部の清掃や草むしり、除雪、ごみ当番、月1回、資源ごみの回収、自治会イベントの運営などに取り組んでいるという。
入居住民の高齢化や空室の増加で公営住宅の自治会活動の停滞が課題となる中、学生には安い家賃で住める利点があり、地域コミュニティの活性化を促す新しい動きとして注目される。
国土交通省によると、公営住宅に住む65歳以上世帯の割合は、2020年度末で約59%。前の入居者が退去してから1年以上経過した空き家戸数は全国で約4万6,000戸(2020年度末時点)に上り、2015年度末に比べて2倍以上に増えている。

政府4月から妊娠確認の初診1万円補助 低所得世帯に

政府は4月から低所得世帯の女性を対象に、妊娠しているかどうかを確認するための初期費用への補助を始める。住民税の非課税世帯などを支給対象に想定している。
妊娠していた女性には1万円を上限に助成する。地方自治体の相談窓口「子育て世代包括支援センター」で手続きし、初診の前後に受け取れる仕組みをつくる予定。
妊娠の兆候があっても経済的な理由で妊娠確認の受診をためらう人をなくすのが狙い。