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金属労協 24年春季 過去最高のベア1万円以上要求方針決定

自動車や電機などの労働組合が加盟する金属労協は12月6日、2024年春季労使交渉で基本給を底上げするベースアップで月1万円以上要求する方針を決めた。増額は2年連続で、要求額は過去最高水準だ。金属労協は自動車労連、電機連合、基幹労連、ものづくり産業労働組合JAM、全電線の5つの産別労組で構成し、組合員約200万人が加盟する労働団体。

貧困状態の子ども 先進43カ国で6,900万人以上 ユニセフが報告書

ユニセフ(国連児童基金)は12月6日、日本や欧米などの先進国の子どもの貧困が全体として減少しているものの、なお貧困状態にある子どもがいぜん6,900万人以上に上るとする報告書を公表した。これは、OECD(経済開発協力機構)やEU(欧州連合)に加盟している43カ国を対象に調べたもの。
2014年から2021年にかけて子どもの貧困率は全体でおよそ8%減少した。ただ、それでも2021年末時点でいぜんとして6,900万人を超える子どもが貧困状態にあると指摘している。
日本の子どもの貧困率は、2014年までの3年間の平均が18.2%だったが、2021年までの3年間の平均が14.8%に減少し、調査が行われた各国のうち8番目に改善が進んだとしている。

老健の相部屋料 自己負担に 対象2万人強 厚労省案提示

厚生労働省は12月4日、社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の分科会でリハビリなどを提供する介護老人保健施設(老健)の一部などの相部屋の室料について、全額自己負担を求める案を示した。対象は2万人強の見込み。
老健の相部屋は光熱水費のみが利用者負担で、室料は保険給付の基本サービスに含まれる。特別養護老人ホーム(特養)は2015年度から月1万5,000円程度の室料を自己負担に切り替えたことから、利用者の公平性を保つため見直しが必要と判断した。厚労省は一定の所得を有する入所者に室料負担を求める方針だ。

生活保護訴訟 「重大な過失」名古屋高裁が国に賠償命令

名古屋高裁で11月30日、生活保護受給者の生活の根幹に関わる控訴審判決があった。これは2913〜2015年の生活保護費の基準額引き下げは違法として、受給者13人が自治体による減額処分の取り消しや国に賠償を求めた訴訟。
長谷川泰弘裁判長は「著しく合理性を欠き、裁量権を逸脱している」として処分を取り消したうえで、国に1人あたり1万円の支払いを命じた。厚生労働相に対して「重大な過失がある」とし、生活保護法に加え、国家賠償法上の違法も認定した。原告弁護団によると、同種訴訟で国への賠償命令は初めて。

日本生命 ニチイHDを2,100億円で買収へ 介護参入で収益源多角化

日本生命保険は11月29日、介護事業大手ニチイ学館を傘下に持つニチイホールディングス(HD)を約2,100億円で買収すると発表した。介護事業に本格参入し、収益源の多角化を図る。ニチイHDの株式を間接的に保有する米投資ファンド、ベインキャピタルなどからほぼ全株式を取得する予定。金融庁の認可を前提に早期の買収完了を目指す。生保大手の企業買収は同業や海外の資産運用会社が中心で、今回のように異業種買収は異例。

児童手当の第3子加算 第1子の22歳年度末まで延長へ調整

政府は第3子以降の児童手当を月3万円に増額する拡充策をめぐり、従来の支給要件を緩和する。第3子が加算を受けられる期間を第1子が22歳になった年度末まで延長する方向で調整が進められている。現行の支給要件では第1子が高校を卒業すると、第3子が「第2子」扱いに繰り上がり、増額対象から外れる仕組みになっている。

23年出生数70万人台前半か 出生数8年連続最少へ

少子化に全く歯止めがかからない。厚生労働省が11月24日発表した人口動態統計によると、2023年1〜9月の出生数(外国人含む、速報値)は56万9,656人にとどまり、前年同期比5.0%減少した。これを基に試算すると、2023年の日本人の年間出生数は70万人台前半と、8年連続過去最少を更新する見通しとなった。
政府が喫緊の課題として掲げる、少子化対策の声は挙がっているが、現実には婚姻・妊娠数にはほとんど反映されておらず、現時点ではいぜんとして出生数増には全く結びついていない。

雇用保険の加入条件緩和へ「週10時間以上勤務」も 500万人が対象

厚生労働省が雇用保険の加入条件の一つとしている週の労働時間について、現行の「20時間以上」から「10時間以上」に緩和する方向で検討していることが分かった。これにより新たにおよそ500万人が加入する見込み。共働き世帯や短時間労働者など多様な働き方が増加している中、現実に即して制度も見直す。2028年度までに拡大する。年内に厚労省の審議会で原案を示し、2024年の通常国会に関連法案を提出する。

外国人労働者の新制度「就労1年超」で転職可 最終報告案

政府の有識者会議は11月24日、外国人労働者受け入れのあり方について、非熟練労働者の受け入れ資格である技能実習制度に代わる新制度の最終報告書案を示した。新制度の基本的な考え方は「育成就労で、目的は人材育成と人材確保。
この骨子は、3年間の就労が基本だが、①1年超の就労と日本語能力(N5合格相当)・技能などの要件を満たせば同一業種内で転職が可能②人権保護に配慮しつつ、金銭負担を軽減するため来日手数料を受け入れ企業と分担③特定技能1号へのキャリアアップを目指すーなど。政府はこの最終報告に基づき、2024年1月召集の通常国会に関連法案の提出を目指す。

岸田首相 児童手当の第3子加算「支給範囲広げる」要件緩和

岸田首相は11月21日の衆院予算委員会で、第3子以降の児童手当増額を巡る支給要件を緩和する方針を表明した。現行の第3子のカウント方法を見直して、月3万円を支給できる範囲を広げたい」と語った。
現行の児童手当法は第1子が高校を卒業すると、第3子が「第2子」に繰り上がり、増額対象から外れる仕組み。ただ、現実には子どもが大学生になっても扶養している親が圧倒的に多い。そこで、現行法の加算の打ち切りに批判が出ていた。