国際協力機構(JICA)などの推計によると、政府が掲げる経済成長を2040年に達成するためには674万人の外国人労働者が必要なことが分かった。これは現在の4倍近い規模。ベトナムをはじめアジア地域からの人材確保が期待されるが、推計では自国の経済成長によって日本で働こうという意欲が次第に薄れる国もあり、42万人の労働力が不足するとも分析している。
受け入れ側、就労・派遣先の意識改革を含め、当面「特定技能」の運用の拡大強化につながる、抜本的な対策強化が求められる。
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21年の外国人入国者91%減の35万3,000人 コロナ禍で激減
出入国在留管理庁は1月28日、2021年の外国人入国者数が35万3,118人(速報値)にとどまったと発表した。前年に比べ約395万人(約91.8%)減少した。外国人新規入国者数は約15万人で前年比約343万人(約95.8%)減少。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う水際対策の強化で、海外との往来が2年連続で激減したことが要因。
国・地域別新規入国者数はベトナムが前年比約72.9%減の約2万5,000人で最も多く、次いで中国の同薬97.7%減の約1万9,000人、米国の同93.3%減の約1万4,000人の順。
在留資格別の新規入国者数は「短期滞在」が同約97.9%減の約7万2,000人、「技能実習1号ロ」が同約70.7%減の約2万2,000人、「留学」が同約76.6%減の約1万2,000人の順となっている。
技能実習生は35万人余で初の減少,外国人労働者数は最高更新
厚生労働省は1月28日、2021年10月末時点の外国人労働者数を、前年比0.2%(2,893人)増の172万7,221人だったと発表した。2007年に届け出が義務化されて以降、最高を更新したが、増加率は大幅に低下した。国籍別ではベトナムが最も多く45万3,344人(外国人労働者数全体の26.2%)、次いで中国39万7,084人(同23.0%)、フィリピン19万1,083人(同11.1%)の順。
在留資格別では、「専門的・技術的分野の在留資格」が39万4,509人で前年比9.7%(3万4,989人)増加、「身分に基づく在留資格」が58万328人で同6.2%(3万3,859人)増加。一方「技能実習」は35万1,788人で同12.6%(5万568人)減少、「資格外活動」のうち「留学」は26万7,594人で同12.7%(3万8,963人)減少した。技能実習生や留学生は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う水際対策強化が影響した。技能実習生は初の減少となった。
22年度公的年金額0.4%下げ 賃金下落で2年連続マイナス
日本 国費留学生87人の入国容認 卒業・修了まで1年未満対象
認知症患者 世界で50年に3倍の1億5,300万人に 日本は1.3倍
米ワシントン大など研究チームの推計によると、各国が認知症を減らす対策を取らないと、世界の患者数が2050年までに、2019年のの5,700万人から1億5,300万人と約3倍に増える見込み。同チームが英医学誌ランセットの姉妹誌に発表した。人口の増加や高齢化が主な原因。
日本は生活習慣病の見直しなど予防策の効果が出るため、分析対象国の中で最も増加率が低いとされているが、それでも412万人から約1.3倍の524万人に成るとしている。
195の国と地域にどれくらいの認知症患者がいるのかを推計し、さらにリスクと考えられている喫煙、肥満、高血糖、低教育歴の計4項目の推移を考慮した。その結果、すべてで患者が増加するとの予測となった。
日本の2019年「健康寿命」 男性72.68歳,女性75.38歳
厚生労働省のまとめによると、2019年の全国の「健康寿命」は、男性が72.68歳、女性が75.38歳だった。健康上の問題がなく、日常生活を支障なく送れる健康寿命は、病気の発症予防などを背景に、前回の2016年調査(男性72.14歳、女性74.79歳)と比べ、男女とも平均で半年程度延びている。都道府県別でトップだったのは、男性が大分県の73.72歳、女性が三重県の77.58歳だった。
健康寿命は2010年から3年に1度推計しているもので、今回は4回目。
2019年の平均寿命は男性81.41歳、女性87.45歳。平均寿命から健康寿命を差し引くと、男性で8.73歳、女性で12.06歳で、初調査の2010年以降、日常生活に支障を抱えながら暮らす期間は縮小傾向が続いている。
ベトナムの海外労働派遣の仲介料 月額賃金の半分が上限
介護人材不足に拍車 オミクロン株拡大で新規入国原則停止で
新型コロナウイルスの「デルタ株」の感染収束気配で、外国人の新規入国は2021年11月、ビジネスや就労目的の短期滞在者などを対象に条件付きで緩和され、外国人材への期待が高まり、一時は明るさを取り戻していた介護業界。ところが、変異ウイルス「オミクロン株」の感染急拡大で、同じ月のうちに外国人の新規入国が再び原則停止され、人手不足に拍車がかかるのではないかと懸念が強まっている。慢性的な人手不足にある介護業界でも、入国予定だった人が来日できない状態が続いているためだ。
緩和された際に新規に入国した人は、短期滞在者が132人、技能実習生が13人など合わせて228人にとどまっている。出入国在留管理庁によると、「特定技能」制度では、介護の在留資格を持っている人は2021年9月末の時点で3,947人。2021年3月末時点と比べると2,000人余り増えているが、この大部分は日本国内にいた人が在留資格を変更したものとみられるという。2021年10月以降もこの制度で新たに入国できた人はほとんどいないのが実情。2年にわたる新型コロナウイルス禍。日本で介護職を目指そうとした人も来日を諦めてしまうケースが出てくると予想される。